qwerty_hybrid_32
qwerty_hybrid
2chでTsukilTBuQ氏にヒントをいただきましてqwerty_hybridと言う配列を作ってみました。qwertyローマ字ベースですので習得は容易だと思います(ver002になりました)。
概要
母音推定
子音を入力されると、デフォルト設定のカナがいきなり表示されます。
例 : S->す
このときに立て続けに子音を入力し続けるとカナが確定していきます。
例 : SNG->すなが
もし希望のカナが出ない場合には母音を入力すると正しいカナに変わります。
例 : SE->せ
母音のいくらかを省略できるローマ字だと思ってください。
確定カナ
特によく使うカナは専用キーが用意してあります。専用キーを押しても直前のカナ候補が確定します。
- 「ー」: Atmark(@)
- 「の」: C
- 「と」: V
- 「か」: 変換
- 「ん」: 無変換
- 「に」: SemiColon(;)
追加子音
いくつかの子音が追加でキーに割り振られています。「SH」と入力すると「すは」と出てしまうからです。Vは良すぎる土地に居座っているので追放。
- x : sh
- Q : ch
- Colon(:) : v
長母音拡張
子音を入力した後にFもしくはLを入力すると長母音が入力されます。これは特に「-ai」の入力がややこしいので設けました。(「K(か),I」で「かい」が出そうだが「き」が出る)
- F : -ai
- L : -ou
- Semicolon(;) : -ei
撥音「っ」
撥音「っ」は通常のローマ字と同じく子音の連打で入力できます。は専用キーのうち「かとの」の連打でも出ます。
拗音
k-Y-o等の拗音の「Y」は「J」で入力します。「Y」を押しても出ません。これは運指を改善するのと、意図しない動作(例:×MY->まよ ○MY->みょ)を防止するために比較的使用頻度の少ないJを使うことにしたものです。また、「J」を押した時点でk-Y-oと「ょ」が優先されます。aiを打つことによって「ゃゅ」に変わります。-ai、-ouに続けることもできます。
そのほか、あまり一般的ではない拗音の入力方法は無効になっています。(例:×SJ(y)A->しゃ)これは、Jの入力を優先させるためです。
例外1
「を」はWを打てば出ますが、この後Aを押しても「わ」は出ません。「わ」はWWででます。これは「これをあげる」と言った文章でAを打ち間違いがちだからです。
例外2
以下のキーの連続は通常の規則から外れています。
- Kと : こと
- かR : から
- Mの : もの
- WR : わら
- Xと : して
- RR : られ
- RRR : られる
- MM : まま
- RM : りま
- NN : なに
解説
プログラマー的な省略記法では子音のみで表現することがままあり(例:cmd(command)、wnd(window)、msg(message))これを日本語入力に応用できないかと常々考えていました。AZIKの特殊拡張のように限定されたパターン(ds->です、ms->ます)でならできるのですが、一般化された状況ではIMEの補助無しには不可能と思えました。
ネックになったのはTN行の変化の多彩さで、デフォルトでどれかを選択する仕様にしてもイマイチ中途半端な結果に終わりました。
ところが、最近いくつかのカナ行段のハイブリッド配列を作成した関係で行段にもいくつかの確定カナキーを置くのが有効であるとわかったので確定カナキーを使ってTN行を制御することを思いつきました。
これで実用レベルになったと思います。
ベンチマーク
小梅配列さんのところの10万字サンプル(英字抜き)で集計したら
字数計 102,070
- 通常ローマ字 : 180,310打鍵
- qwerty_hybrid : 125,646打鍵
- 小梅(私家版) : 135,952打鍵
- hybrid_kana : 151,758打鍵
と言うなかなかの好成績が出ました。
(むしろ渾身の創作のhybrid_kanaの憤死ぶりも……)
download
nodokaファイルですが、拡張子を変えればmayuでも動くはずです(中のインクルード文の拡張子も)
https://docs.google.com/uc?id=0Bwr_MDdxot9tYWMzNGEzNjctNDJiMC00ZWFhLTllNTUtNzc1YWY2ZmZlNTQy&export=download&hl=ja
azik_hybrid
試しにazik_hybridを作ってみました。
【概要】
通常のazikに対して
Q -> 「ー」
C -> に
V -> と
; -> の
無変換 -> し
変換 -> か
が割り振られています。
長母音拡張は打ちやすさを考慮して変更してあります。注意してください。
! V = -ai
! M = -ou
W = -ei
! C = -oi
H = -uu
「;」で「っ」は出ません。子音を連打してください。
「C(ch)」は「:」に飛ばされました。
「V」は「@」に飛ばされました。
【検討】
これで約15%の字が二打から単打で打てることになります。
とは言え、元々azikの拡張で節約できた分もありますので10%と割り引きますと
字数100に対しての打鍵数が約
ローマ字 170
AZIK 145
月2-263 130
NICOLA 135
azik_hybrid 135
となってNICOLAにせまる打鍵効率が出せます。
ハイブリッド配列
カナ系配列と行段系配列を組み合わせた配列です。頻出字はカナ的に入力、レア字は行段的に入力するようにできています。
名称については「ハイブリッド配列」ではあまりにもそのままなので、たぶん変わります。
この配列を作った動機はAZIK(カスタマイズはしてある)を5年使ってみて、もう少し効率を上げたかったからです。他の配列もいくつか試しましたが結局AZIKに戻ってしまって、何で配列が身につかなかったのか悶々としていました。そうしたらアイデアが浮かんだので一からこさえてみることにしてみました。
背景事情として、私は特許屋です。
和英技術文書を主に打ち、傾向として漢語外来語の比率がかなり高くなっています。
例「クォータニオンを前記中間関数を媒介してアフィン変換を行う」
キーボードはRealForce、キー入れ替えはnodoka(mayu)を使っています。
【特徴】
・頻出字はカナ + レア字は行段
・一つのキーに複数の子音を割り当てている
・母音キーを3重に持っている
・親指シフトキーにも文字を割り当てている
・親指系よりは親指を使わない
・表面の一打で出現率66%カバー(小梅の10万字データで)
・75%の拗音は2打で出る
・右手小指の右にはレア字を配置
【概要】
一つのキーに複数の子音を割り当てて母音キーを3重に持っています。これによって子音キーの数を減らして、空き地に頻出カナキーを割り当てています。母音キーのうち2重は裏ででしか打たないので表には色々好きに割り当てています。見た目はシフトキーが7つある月配列って感じです。
・一段目はカナっぽい雰囲気
えてしにけ ・ーc1たきc6
まうかとな くc2c3c4c5c7
。こあおつ っのです、
無変換「い」 変換「ん」
いわゆる親指シフトキーにもキーを割り当てています。本来の親指シフトよりは使用頻度が少ないし、シフトとしては使わないからキーボードを選びません。
・c1〜c7は子音が3つずつ割り当てられていて二段目に続きます。
c1 G/Z/ky
c2 S/M/sh
c3 R/D/J
c4 H/B/W
c5 Y/N/ch
c6 小文字/V/小文字y
c7 P/F
・二段目の母音は1〜3の3ヵ所に配置されています。
e2 u2 a2 × × × × × × ×
e1 u1 a1 o2 × × -Y a3 u3 e3
× × × o1 × × i3 × × ×
無変換「i1」スペース「i2」 変換「o3」
当初は母音を4重にして、拗音も全て2打で打てるようにしていましたが想像以上にごちゃごちゃして打ちにくかったので、素直に拗音キー「Y」を設けました。「ky」は消してもいいところだけど残してあるのは、対になる「K」が無いからです。
【その他】
打ち心地は月配列Ux系に近いと思いますが、より漢語外来語に特化しています。また親指に負荷を振っていますので、それ以外の各指の負荷は軽いはずです。
実のところ、月2-263から「いん」を無変換変換に動かして、濁点をスペースに置いたら十分なんじゃとも思えます。
【download】
nodoka用の設定ファイル。拡張子を変えればmayuでも動くはず
https://docs.google.com/uc?id=0Bwr_MDdxot9tNWYxNWU2NGQtMDNiYi00NjI4LTg2MWQtZmEwYzk2YzdjNGU2&export=download&hl=ja
特許からみる中国
さて、一昨日のは前振りで
中国における産業と特許の関連について
【中国の出願件数は今年来年には日本を抜く見込み】だそうで、実案意匠を含んだ数なので簡単には比較できないが中国の工業技術は確実に進歩しています。
そして、発明に限っても訴訟件数はすでに日本より多い。訴訟も外人相手のごろが主流かと言えばそうではなくて中国人相手の争いが大半です。
司法制度がいい加減なことと、権利ゴロが横行していることも勘定すると、知財リスクはアメリカ並みだと言えでしょう。
北京、深センは人件費が高騰している分だけ工場の機械化が進んでいて見た目では日本の工場とあんまり変わらないと言えます。いわゆる労働者が工場にすし詰めと言った風景は過去のものと考えて良さそうで、企業にとっては環境アセスメントとかあんまり考えないで良いとか利益の方が大きいのではないのだろうか思ったりもします。
そのほか、twitterで考察したところ、日本語がしゃべれる中国人ブローカー(と商社)の層の厚さはASEAN諸国と比べるとあると思い至りました。普段に仕事ですと普通に英語を使っているので忘れがちなのですが、残念なことに英語の苦手な日本人は本当に苦手ですからね。特に今頃になって中国進出を計画している中小企業は英語に不自由しそうです。
逆に十分な人材を有している大企業は、日産のように新規工場はASEAN諸国に建てる流れが加速しそうです。それでも、中国資本の現地工場を利用する分には何ら問題はないので、表面的には変化がわかりにくいのでは無いのかと思います。
今回の尖閣騒ぎで「日本は中国と違って法治国家〜〜」なんて言った人もいましたが、政治がらみの案件で司法がまともに機能しないのは世界中どこでもそうなわけで、こういうことは政府の後ろ盾が期待できない日本人にとっては世界中どこでだってあり得ます。ちょっと前にもアメリカで産業スパイの容疑をかけられた日本人が逃げ帰ってきた事件がありました。
さて話しを特許に戻しますと、中国での出願費用も決して安いわけではありませんのであれだけの数の出願を維持するのも並大抵では無いものと思われ、それだけ中国の司法制度が整備されつつあるのだと思われます。
あれだけ政府を信用していない人民がそれだけの金を出していると言うことにはそれなりの意味があるでしょう。
尖閣話
今の中国は戦前の日本みたいだね。
・陸軍国家から海軍国家に転身中
・軍部のタカ派がマスコミを利用してアホな国民をあおり立てている
・国際的に自信がついてきているけど国民のほとんどは外国のことをなにも知らない
・ちょっとうまく行ってますます引っ込みがつかなくなる
外交音痴の軍部がやっちまった。しかも日本の対応がいつもと違って事態が明後日の方向へ……
・前原の指揮?
今までは追い払うだけだったのが…… と言う話しだが
拿捕したのは衝突されたからで、ここまでは人民解放軍の仕掛けと見るべきだろう
逮捕に踏み切ったのは前原が親中派に先制するためかも知れないが
海保が自民時代からの内規に従ったのだと思う。
前原が対米追従派だと言う指摘があるが、前原は対米追従にも媚中にも以前から反対している
・フジタ社員逮捕
ちょっと前にオーストラリア相手にやったばかりなのだが
チキン日本相手にやるのは後先考えなさすぎ
・レアアース
想定内のチャイナリスクなのでまともなメーカーは備蓄済み
とは言え金が絡むと怖いよね。どちらにせよコストの問題
報道が二転三転して北京の混乱がうかがわれる。
・米国の日本支持
予想GUY過ぎる。もちろん米国の本命は為替だろう
先日の日銀砲は無駄弾に終わりそうだ。
グアムに引きこもりたい米軍が引きずり出された形かな
・民主党
仙谷由人「(中国は)随分変わってきていると認識していたが、あまりお変わりになっていなかった」
民主は小沢のような確信的売国だとばかり思っていたのだが、真性お花畑が想像以上に多いと認識を改め中
以下前提知識
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100928/216407/?P=2
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2010/09/post-cdb0.html
http://www.tanakanews.com/100917senkaku.htm
http://togetter.com/li/54784
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4524
http://blog.livedoor.jp/keumaya-china/
ふたを開けてみたら日本だけ中国市場を失っていた。とか言うオチになったら笑える
フォークボールの投球方法
「フォークボールの投球方法」と言うのは特許にならない例として教科書的に上げられる定番です。
しかし、その理由付けについては常々疑問に思っていました。
日本の特許法では、発明とは「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されており、「フォークボールの投球方法」は「技術的思想」でないものとして切られると言われています。
ところが「技術的思想」とは
「一定の目的を達成するための具体的手段であって、実際に利用でき、知識意図して伝達できるものをいい、個人の熟練によって得られる技能とは異なる」
とされています。
フォークボールの投球方法」は「知識意図して伝達できない、個人の熟練によって得られる技能」であるとされています。しかし、「フォークボールの投球方法」は野球の教本には投げ方が書いてありますし、練習すれば上手下手はともかくとして誰でもできるものです。個人の熟練と言う観点から行けば、職人の熟練が無いと使うのが難しいような「機械の組み立て方法」とかあります。(例えば、以前機械のベルトのテンションを適正値にするのにベルトを叩いてその音を聞いて調整すると言う技術があります。)こういうのは技能と言えなくもありませんが、工場のマニュアルにも載っていますので個人に限定されたものでは無いでしょう。教科書によっては人によって上手下手が出るからダメだ的な解説を添えている場合もありますが、別に普通の「高馬力エンジン」のような特許でもどのメーカが車を作るかによって性能は全然違うわけで、上手下手が根拠になるのはおかしいです。
熟練の技能の場合、例えば、金属の表面を触っただけで表面荒さがわかるとかそう言う感覚的なものが特許にならないというのはわかりますが、それは反復継続性や実施可能性が無いからです。少なくとも先輩技術者から「盗める=知識意図して伝達できる」ような技は特許の対象であってしかるべきであると思います。
前置きが長くなりましたが、こんなことを考えたのは
「音素索引多要素行列構造の英語と他言語の対訳辞書」
特願2003−154827号
が知財高裁判決により特許査定となったからです。
綴りが分からなくても発音から単語を検索できる英語辞書を引く方法〜〜本願発明は,人間(本願発明に係る辞書の利用を想定した対象者を含む。)に自然に具えられた能力のうち,音声に対する認識能力,その中でも子音に対する識別能力が高いことに着目し,子音に対する高い識別能力という性質を利用して,正確な綴りを知らなくても英単語の意味を見いだせるという一定の効果を反復継続して実現する方法を提供するものであるから,自然法則の利用されている技術的思想の創作が課題解決の主要な手段として示されており,特許法2条1項所定の『発明』に該当するものと認められる。
平成20年(行ケ)10001号
そもそも従来より方法の発明として動物に対する手術方法等は認められていたわけで、機械でなく人間が主体的に実施する発明であったとしても特許が認められるものでした。それに対して、ビジネスモデル特許に限らず、トレーニング方法などは記載の加減によっては拒絶を受けていましたが「自然に具えられた能力に着目し〜〜一定の効果を反復継続して実現する方法」と言うのが一定の基準として認められるのであれば判断しやすいのではないのかと思います。
従来より「トレーニング方法」は拒絶されて「トレーニング機器」なら簡単に認められると言う実務でしたが、これの方向性が多少変わってきたのはないのかと思います。
また「トレーニング機器」であっても方法クレームと一緒にエイヤで拒絶されるのを避けることも出来そうです。
mp3圧縮アルゴリズムのような類も、人間の聴覚の性質を利用していますので、請求項の書き方によっては拒絶されていましたのでありがたいことです。
まぁ、「フォークボールの投球方法」の場合は「産業上利用できる」かどうかの問題ではあると思いますがね。